第4章 3.道徳の衰退

2023年01月11日  2023年01月11日

第4章 さてさて〝道徳〟とは?

 

3.道徳の衰退

 

前に〝規範〟というのは「たかだか人間のやることだから、その総和は一〇〇だ!」と申し上げました。

ですから、それを前提とする限り、例えばある時期、法律:道徳=三:七の割合であったのに、法律が沢山世に出るようになって、その割合が七割になったとすると、その反面、結果的に道徳は三割になってしまうのです(道徳の狭隘化)。即ち、

 

(1)法律がのさばると「規範」の中に占める道徳の割合が狭まる。

(2)そうなると世の中は不幸になる。〝肌と肌の付き合い〟ではなくなるので人間関係が〝ギクシャク〟することになる。

前にも述べたように、「法律さえ守っていれば良いのだ!」ということが未来永劫続くということになりかねない。

(3)しかし、結局、法律は人間関係の全てをカバーしきれない!

法律が全てをカバーするようになったら、言い換えると、法律が幅をきかし過ぎるようになると、そこは〝人間社会〟ではなくなる。

 

というのが私の持論なのです。

「法律」と言うのは、結局、それを作らなければならないという状況に至ること自体、人間の堕落を〝裏付ける〟ものなのでしょう。

 

 

・・・つづく