第4章 2.道徳の役割

2022年12月28日  2022年12月28日

第4章 さてさて〝道徳〟とは?

 

2.道徳の役割

 

道徳は〝人間のあるべき道を諭すもの〟ということでしょうから、右に述べたように、法律のように文字で固定的に規定されているものではありません。

場合によっては法律に反する行為も〝道徳的〟に見れば許される場合もあり得るでしょう。

テレビの刑事ドラマを観ていると、止むを得ない事情により殺人を犯さなければならなかったような場面がしばしば見られますが、これなどその代表例ですね。

多くの日本人が共感を呼び起こされるシーンだと思います(尤も、最近では現実社会で必然性のワカラン偶発的殺傷事件が多すぎますが)。

 

これに対し、そもそも〝法律のないところ〟での人の行動規範として身についているものが道徳であるとも言えます。

この〝行動規範〟がある程度普遍的で、それが一般的に市民間に浸透したまともな社会であれば、その結果、争いのタネがもたらされることは少ないのですが、その各人の道徳観念がある領域において余りにも違い過ぎると結局は〝その領域〟において法律を作って争いが起らないように調整しなければなりません。

そういった意味では、法律は人間社会においてはある程度、止むを得ない手段・道具ではあると言えます。

だからこそ、関係各位におかれましては、せめて〝より妥当な〟法律を作って頂きたい。

 

・・・つづく